賛助会員制度と食工部会の発足

 昭和36年,油市場の財政面の安定を図るため製油メーカーを対象に賛助会員制度を設けることとした。59社という多くのメーカーの協賛が得られたことで,賛助会員制度はスムーズに発足することができた。これにより財政面での安定を得られたことで,懇親団体に止まるのではなく団体として積極的な活動を行う計画が具体化し,食用油部会,工業油部会をそれぞれ発足させた。両部会には営業人から比較的取り扱い量の多い問屋の参加を求めることとなったが,最終的に食用油部会には46名の参加が得られた。昭和37年1月29日に,東京商工会議所においてメーカーの賛助会員と食用油・工業油部会員による意見交換と懇親パーティーが行われた。賛助会員34名,部会員34名が出席し,当面の業界の諸問題について熱心な話し合いが行われた。


日本油脂協会の設立

 昭和37年1月25日,(社)日本油脂協会が設立された。製油メーカーの団体としては油脂製造業会があったが,昭和36年5月にトップメーカーであった豊年製油が脱会し,片肺飛行を余儀なくされた。また中小の菜種搾油メーカーは別途,日本油糧工業協同組合連合会を設立していた。しかし輸入大豆・菜種や植物油粕の自由化を控え,業界を代表する団体の1本化は,意見の集約する上でも必要であった。また行政にとっても大手の主要メーカーを網羅した団体の必要性は増していることもあって,時の農林大臣河野一郎は昭和36年8月,製油大手10社の首脳を農林省に招き,製油業界の大同団結を促した。その後紆余曲折があり,発起人会が3回,設立準備委員会は7回にわたって開かれるなど懸命の調整が図られた結果,昭和37年1月25日に東京会館において(社)日本油脂協会(後に日本植物油協会)の創立総会が開催された。初代会長には発起人代表の坂口幸雄日清製油社長が就任した。会長は1年輪番制とされ,日清製油,味の素,豊年製油,昭和産業の代表者が1年交替で会長に就任することが決められた。