創立80周年記念式典を実施

 東京油問屋市場(菱沼由三郎理事長)は昭和55年に創立80周年を迎えたことで,同年3月25日に新橋の第一ホテルにおいて記念式典を開催した。
 農林水産省食品流通局長より市場に感謝状が授与された。また油ゆかりの住吉神社,油祖離宮八幡宮,油日神社にそれぞれ記念品と金一封が贈られた。

崇敬会を設立

 油祖離宮八幡宮は独自に開発した搾油道具「長木」により荏胡麻を搾り,全国の油生産を独占したが,菜種搾油の始まりとともにその勢いは衰え,江戸時代には搾油も停止した。油の販売による事業収入が莫大であっただけに,神社としての財政的基盤は弱く,事業収入が途絶えて以降,離宮八幡宮は改修もままならないような状況となっていた。こういった離宮八幡宮の窮状を見て,東京油問屋市場の金田勝次氏が中心になって新たに「崇敬会」の発足を働きかけることとし,昭和61年に「油祖離宮八幡宮崇敬会趣意書」(発起人代表・坂口幸雄日活製油(株)会長)を全国の製油メーカー,油脂販売業をはじめとした油脂関係者に配付し,崇敬会への参加を募った。趣意書の発送先は1,300社に達した。崇敬会発足により神事“日使頭祭”は復活することとなり,昭和62年4月3日に,坂口幸雄崇敬会会長が“日の頭油長者”に就任した。今日でも毎年4月3日に全国から油脂関係者が集まり,古式に則った儀式が行われている。

米寿祭を迎えた油問屋市場

 東京油問屋市場は昭和63年に創立88周年を迎え,3月24日に米寿祭を全油販連創立35周年式典と同時に上野精養軒において開催した。当日は記念講演に続く,式典において喜寿以上の営業人に記念品が贈呈された。また,「米寿祭〜万治から昭和まで風雪の歩み」と題する小冊子をまとめて,関係者に配付した。この小冊子には,江戸時代の組合に始まり問屋から,明治に入ってからの東京油問屋市場の創設からその後の変遷について書かれており,開所300周年の記油念誌「あぶらの歴史」(昭和35年刊)とはまた違った意味で貴重な文献となっている。